映画『となりの怪物くん』感想

原作の漫画をしっかり読んでいたので、実写を観るのに勇気が要ったのですが、観てよかったと思う作品でした。

主観ですが、キャストが意外とハマっていて、漫画のイメージと大きく違う人がいなくて良かったです。特に夏目さんの再現率がとても高かった!!外見の可愛さはもちろん、話し方や仕草がイメージそのままでびっくりしました。あとハルも、菅田将暉さんピッタリだなと思いました。ハルの野性味溢れるやんちゃさから可愛さまで表現されていて、もうハルなのではと思うくらい…!お金をたかっていた人達に雫が注意した後のハルが泣くシーンで、「ちがう…」と言った時の可愛さは胸キュンでした。他のキャストの皆さんも、外見は少し違えど、話し方や表情・仕草がしっかり再現されていて、役者さん凄いなと思いました。

また細かいところですが、雫の運動神経あんまりで走るの遅い感じが垣間見えて、忠実だなぁと嬉しくなりました(笑)

制服や学校・風景は、学生恋愛ものの実写によくある現実離れした感じですが、こういう淡い色合いは青春を感じられるし綺麗で好きです。少しコミカルな雰囲気の小道具や背景もあって、原作のイメージっぽいなと思ったところもちらほら。

ストーリーも言わずもがなとても良かったです。原作の繊細で綺麗な心の機微を、映画でも大事にされているように感じました。みっちゃんさんの言葉を借りるなら、恋愛を通して人間がまるくなっていく様子が描かれていて素敵でした。

また途中には、時間軸が一気に進む、たくさんの青春シーンを切り取ったような部分があって、これは映画ならではだなと思いました。映画として観る分にはとても良かったのですが、原作でストーリーを知っている身としては、この切り取られたシーンの中にも、それぞれ各キャラクターの関わりや色んな心情の変化があるんだけどなぁぁ、と映画の尺を少しもどかしく思ってしまったり…。

ストーリーは主人公のハルと雫の恋愛を軸に進んでいきますが、時間があるならヤマケン君・ササヤン君・大島さん達の活躍も、もっともっと見たかったです。皆その人らしく、好きな人に一途に向き合っていて優しくて、素敵なシーンがたくさんあるので、どうしても欲が出てしまいます。割り切らないとですね…!一本の映画としてまとめるなら仕方ない事なんですが、どうしても原作愛が出てしまって。同じキャストでアナザーストーリー(?)というか、今回の映画では取り上げられていないシーンを詰め込んだもう1本を作ってもらえたなら、それは買います(笑)

 この映画は原作とは少しストーリーは違いますが、きれいにまとめられていて良かったです。キャストも雰囲気も再現率が高くて、漫画と実写それぞれの良さを感じられた作品でした。また青春を感じたい時に観たいですし、漫画も読み直したいと思います。