映画『マイ・インターン』感想

始まりはベンの日常生活・シニアインターンの応募動画から。日光が差し込む自然の風景と、テンポの良い心地よい音楽。新しい生活が始まる時のワクワク感。冒頭から心を掴まれました。

この作品で一番好きなところは、ベンの仕事のやり方・生き方が、周りの人へ影響を与えていくところです。舞台はファッション通販サイトの運営会社で、SNSを最大限活用するし、CEO自らがオフィスを自転車で走るような自由な社風。急成長中の会社で、仕事に忙殺される若者が多い環境。そんな中でベンの生き方は、一緒に働く若者たちに新しい視野・価値観を提供していきます。キャリアはあるのに全く偉そうではなく、物腰柔らかでフォロー上手。自分にないスキルは素直に学ぶ姿勢があり、快く助けを求められる。でも自分の軸やこだわりは大切にしていて、女性に紳士。こんな素敵な大人になりたい、こんな風に年を重ねたいと思えるような人です。

また、ハラハラドキドキもあるのが、この作品の魅力的なところです!ジュールズは母親の悪口を書いたメールを間違って母親に送ってしまい、そのメールを削除するために、ベンと同僚たちがジュールズ母の家に乗り込みます。ベンたちも話していたけれど、本当にオーシャンズを観ているよう!笑 警報機が鳴った時はもうだめかと思いましたが、ミッションをやり遂げた時は、観ている側も達成感があってとても楽しめました。

あとは、やはりジュールズ。彼女はCEOで仕事にストイック。一児の母でもあり、家庭を大切にしながら仕事に全力を注ぐ女性です。しかし仕事でも家庭でも問題が出てきてしまい、ベンの前では心を許して弱い部分を見せたり、不安を口にすることも。それでも、それぞれの問題に真摯に向き合い、落ち込んだり泣いたりしながら、自分なりの答えを出そうともがく姿は、一人の女性としてたくさん勇気をもらえました。

そして、もう1つ個人的に好きなのは、登場人物たちのユーモアある会話です。自分は頼りにされていないと悔し泣きするベッキーに、睡眠時間の短い女性は太りやすいと悲しいお知らせをして、休むよう促したり、食事の約束がリスケになった時は、ランチなら夜まで待たなくていいと言ったり。自分だったらマイナスに捉えてしまう事やフォローに困る事も、ユーモアで明るくしていく強さがありました。そこに素敵な風景やファッション・音楽が合わさり、終始爽やかな空気感であふれていて、観ている人を明るく前向きにしてくれる作品でした!